会長 挨拶
- NPO法人日本躰道協会
会長 工藤 善己
躰道は、沖縄出身の祝嶺正献最高師範によって創始された武道であります。
祝嶺先生は、幼少のころから沖縄武道である「手(ティー)」を学び、さきの第二次世界大戦では、特殊潜航艇(人間魚雷)の特攻隊員として山口県の海軍柳井潜水艦基地において肉迫必中の術策を懸命に思案されていたところ、昭和20年8月、終戦を迎え九死に一生を得ました。その後、戦時中の訓練において体得した運動法則、つまり、旋・運・変・捻・転の動きを基に三次元の運動空間に適応できる実技の創作がなされました。
また、平和な時代の武道の在り方として、その成果を社会に還元することこそが武道の責務であると考え、社会における思考形式と躰道における行動形式を統一することにより社会還元ができやすいように躰道の理念を整理され、昭和40年1月23日、新武道『躰道』を公表し、日本躰道協会と躰道本院(現在の一般社団法人日本武藝躰道本院)を設立されました。
しかし、躰道を創始し日本の武道文化として世界に普及・拡大を推進されてきた祝嶺正献最高師範は、平成13年11月、76歳の生涯を閉じられました。
その後、平成17年4月、NPO法人日本躰道協会として内閣府の認証を受け、現在まで躰道の普及・拡大に努めてまいりました。
さて、昨年、躰道は創立五十周年を迎え、次の50年に向け新たな活動を開始しておりますが、本年5月、私、工藤善己 が、会長に選任されました。微力ではありますが、躰道のますますの繁栄に向け誠心誠意努めてまいりますので、一層のご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
今後とも、躰道の普及活動を通じ「学術、文化、芸術又はスポーツの振興」、「社会教育の推進」、「子供の健全育成」、「国際協力」等を行うことにより、人類の安定と平和に資することを目的とした公共性の高い武道団体を目指す所存であります。
多くの皆さんに理解していただけるよう日本国内はもとより、世界各国の躰道協会と連携を図りながら普及・発展に邁進してまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解いただきますようお願いいたします。
NPO法人日本躰道協会 会長 工藤 善己 (平成28年6月)